【獣になれない私たち】第5話感想 自分を大切にし始めた登場人物たち

人は自分らしく生きたい、自分を大事にしよう、と思った瞬間に、思いも寄らぬ方向へ踏み出す。

自分にウソをつかない。それが獣になる道への一歩。

※以下ネタばれあり

 

晶(新垣結衣)のキスは、浮気した京谷(田中圭)を「許したくない」「会いたくない」という、どちらかというと後ろ向きの気持ちから来た行動だろう。

だが、それでもいいのだ。彼女はこれ以上京谷に傷つけられないように、自分を大切にすることにしたのだ。自分を苦しめる京谷とは会いたくない。その気持ちを表現したキス。彼女は決断したのだ。

そこから運命は転がりだす。

そして、朱里(黒木華)を残してマンションから出ていった京谷(田中圭)。

朱里が京谷に執着しているように見えて、朱里に執着していたのは実は京谷のほうだったのだ。朱里が自殺するのではないかという恐怖感から、京谷は朱里を見放せないでいた。

引きこもりや依存症になっている人は、近くにいる家族が、そうさせているケースがある。京谷が朱里を引きこもらせていた。京谷はそれに気づいたのだ。

執着が断ち切られ、これで朱里も新たな一歩を踏み出せるだろう。

大きな動きはないが、少しずつ前進する登場人物たち。

やっと物語が転がり出した。野木亜希子、いよいよ本領発揮といった所だろうか。

ただ、このペースだと、みんな野獣になれないんちゃう……?

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テツコハナヤマ
毒親育ちが、ロックマンしか愛せず音信不通に苦しむ日々を卒業し、誠実な癒し系の旦那様と結婚。コロナ禍で出産し、産後クライシスに荒ぶりながらも「毒親育ちが居場所を見つけて、ライフワークと家族と生きる」日々を発信中。根本裕幸氏のお弟子さん1期。 詳しいプロフィールはこちら。