母と対等な関係を築きたかった。
母と私は、上か下かの関係しかなかった。
母が私を見る目はこんな感じだ。
かわいそうで何もできない娘。こんなあなたが可愛そうだから、助けてあげる。その代わり、ずっと私のそばにいるのよ。
もしくは、何でもできるすごい子。スーパーマン。母を助けてくれる自慢の娘。学歴や賞を自慢できる子。その子を育てた創造主たる母の私は、もっと素晴らしい。(結局、私を下げているだけか……)
母が私を見る目は、この二つしかなかった。二つを常に行き来してきた。
私は、こんな関係をやめて、母と対等な関係を築きたかった。
それには、私が母を見上げるのを、やめなければいけなかった。
見上げるのをやめた。あなたと私は対等。ともに子を持つ母親で、仕事を持つ、一人の人間。
母にとって、対等な関係というのは、どこにも存在しないらしい。
ここ数年、実家の近くに暮らして気づいた。彼女の中には、人間の序列しかない。
私をいじめ抜いた、自己愛の強い母を、私は軽蔑している。
しかし、それは本当の対等性ではないのかもしれない。
私は、まずは自分を尊重し、母と距離を置く。
自分を尊重すると、他者も尊重できる。彼女の力を信じて距離を置く。
そう、見下げていたのは、私のほうかもしれないのだ。
距離を置くこと、連絡しないことで、私は母との対等な関係を掴みつつある。