書評『小さな習慣』罪悪感を生じさせない工夫。「美人ノート」とはやり方が正反対?

人の人生を左右しコントロールしているのは、罪悪感ではないか。

自分自身の生きづらさに向き合った時に、私は多くの罪悪感にぶち当たった。
それは育った家庭で植え付けられたものもあるし、自分が勝手に相手に悪いと思い込んだものもある。お母さんより美人であってはいけない。これも罪悪感だ。これは母に植え付けられたし、自分でも過剰に思い込んで、自分自身に植え付けた節がある。

罪悪感は目標を立てて、実行する際にも発生しがちである。
自分との約束を守れない自分に失望し、自分に申し訳ないと罪悪感を持ってしまう。

毎日筋トレをやろう、毎朝早く起きて2時間勉強しよう……私はずいぶん昔から高い目標を掲げては、挫折してきた。今回の読書の感想文も、早く書こうとして、ついに締め切り当日となってしまった!

しかし、『小さな習慣』は、簡単すぎて、挫折のしようがない。ゆえに、自分との約束が守れなかったという罪悪感が生じないのだ。例えば「1日腕立て伏せ1回」。筆者は忘れているのに気づき、ベッドの中でやって達成したのだという。罪悪感が生じないような脳の動線を作ってしまうという発想は、見事という他ない。

一方で、自分のブログ「美人ノート」と逆の発想だとも感じた。

「美人ノート」:潜在意識の変化→習慣
『小さな習慣』:習慣→潜在意識の変化

「美人ノート」は「自分を美人だと思い込むこと」で、行動や習慣が意識せずとも勝手に変わっていくことを目的としている。たまに今日の美人活動をアップしているが、あれは行動や習慣を意識している訳ではなく、美人と思い込むことによって自然とそういう行動をとっているのだ。自分の習慣も少しずつ勝手に変化しているのを感じる。潜在意識の自動操縦に任せている感じだ。

私のように、妄想力、引き寄せ力が強い人には、小さな習慣はまどろっこしいかもしれない。(私のようなタイプは自分を洗脳できるし、他人からも洗脳されやすい。騙されてツボとか羽毛布団を買わされるタイプである。)

塾講師をやっていた経験からも、コツコツと習慣をつけて伸びるタイプと、本人を乗せてその気にさせたほうが伸びる2種類のタイプの生徒がいた。私はどちらかというと、後者のタイプである。

ただ、私のような自己洗脳タイプも、習慣的なメンテが必要だ。人間たいてい一度ではその気にならない。何度も何度も「君ならできる」「自分はそうなれる」と繰り返し、潜在意識に刷り込むことが必要だ。

そういう意味では、「小さな習慣」は自己洗脳する「美人ノート」にも有効だ。

そして、私は自分の小さな習慣を決めてみた。
「自分は美人だと1日1回確認する」

実は今、密かに「鏡を見て1日20回自分を美人だと言う」という目標設定をしていた。だが、羞恥プレイすぎて、気乗りしないことも多く、結構サボりぎみである。だが、これくらい小さな習慣ならば、毎日できるだろう。なんせ、電車に乗っている時でも、仕事している時でも、どんな時に思ってもいいのである。明日からやってみよう。

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テツコハナヤマ
毒親育ちが、ロックマンしか愛せず音信不通に苦しむ日々を卒業し、誠実な癒し系の旦那様と結婚。コロナ禍で出産し、産後クライシスに荒ぶりながらも「毒親育ちが居場所を見つけて、ライフワークと家族と生きる」日々を発信中。根本裕幸氏のお弟子さん1期。 詳しいプロフィールはこちら。