ビザは無事発行された! 私たち家族は、お互いに健闘をたたえ合った!
やった、これで家族の絆を取り戻せる!
だが、私は何だか説明のできない気持ち悪さを感じていた。
潜在意識に何かがひっかかっていた。何か嫌な予感がする。私は無事出国できないのではないか……(この理由は後に判明する)
その予感は当たってしまった。
チェックインし、スーツケースを預け、手荷物検査も済ませた。
そして、出国審査でパスポートをセンサーに何度もかざすが、反応しない。へ、どういうこと??
入管の職員さんがやってくる。「あ、このパスポート無効ですね!」
「???!?」
なんと、私のパスポートは、再発行前のパスポートだったのだ。
以前、私はパスポートを紛失して再発行した。その後、無くしたパスポートは見つかったのだが、その無くしたパスポートと再発行後のパスポートが入れ替わってしまっていたのだ! 新しいパスポートは、実家のリフォームの混乱の中、破棄されてしまっていた。
期限が同じなので、パッと見で判別のしようはない。ただ、写真は微妙に違うし、ページをめくれば履歴で分かる。私が感じていた何かつっかえるような、違和感は、パスポートの微妙な違いを意識がキャッチしたことから、来ていたのではないか。
ショックというよりも、腑に落ちた感があった。私は別の便に乗ろうとしている両親に電話をかけた。
強い口調で両親に「どうしてくれるの?」と迫った。
すると、父は「じゃあ、来なければいいだよ」と開き直ったのであった……!?
(続く)