「麒麟がくる」第1話つぶやき。麒麟というテーマが格好いい。最新知見を取り入れた正統派大河ドラマ。

待ちに待った大河ドラマ「麒麟がくる」第1話感想。以下、大河ファンの好き勝手なつぶやき。

日曜8時にテレビの前に座る。正月から2週間も待たせやがって。!

大河ドラマの初回視聴は1年の計を占うと言っても過言ではない大事な儀式である。

大ベテラン池端俊策氏は大河ファンの中で隠れ傑作と名高い「太平記」を書いた脚本家。

池端氏が書くのだから、外れることはないだろう、とまずは高をくくって見る。期待値マックス。

「太平記」で足利幕府の始まりを書いた池端氏が、今作品では足利幕府のクロージングを描くのが楽しみ。どんな歴史の切り取り方をしてくれるのだろうか。

しょっぱなから「七人の侍」を彷彿とさせる戦闘シーン。物語にすぐに引き込まれる。

昔の大河ドラマを思わせる古風なオープニング。曲はやや単調か。

色鮮やかなカラフルな衣装が目に付く。最新の時代考証?それとも無視して意図的にやっているのか?
(映像が暗い、埃っぽいと叩かれた「信長」「平清盛」とは真逆。中世の闇や埃っぽさは感じられない。4Kが関係あるの?)

ニュースにもなっていたが、大塚明夫と吉田鋼太郎が似ている。

茶目っ気たっぷりのチョイ悪(いや極悪か)・吉田鋼太郎の松永弾正はこれ以上ないはまり役である。物語をたっぷり引っ掻き回してくれるだろう。

さりげないシーンでも、後の伏線となることが予想されるので見逃せない。

中世の奴隷、人売りなども描こうとしている。

戦乱の世の終わりに”麒麟がくる”というテーマが最後に示された。1年を通して貫かれるテーマ。麒麟は乱世を終わらせたいという人々の希望の象徴。光秀の夢でもある。テーマがドンとある格好いいなあ。(何だかドラゴンボールやロードオブザリングみたいだけど)

どこも骨太で硬派、重厚、大真面目。ゆえに笑いはない。

(だからテレ朝には「信長のシェフ」を今年やってほしい。戦国の美食対決で「キュイジーヌ!」とか言って、笑かしてほしい。吾郎ちゃんの光秀も見たい)

主人公の光秀は「真田丸」の真田源次郎に似ている。徹底した受け芝居。彼が周囲の影響を受けて、何色に染まっていくのか、楽しみである。

沢尻エリカに代わった帰蝶の川口春奈、勝気で芯の強い姫感が出ている。出だしからなかなかいい。

ひとつ気になった点。

最近は大河でも、小ネタ満載で早いテンポでストーリーが展開していくものも多いので、今回ひとつひとつのシーンは丁寧で玄人受けするが、冗長な気もした。

今の視聴者は物語が動かないと、すぐに携帯をいじったり、別のコンテンツに行ってしまう。昔の視聴者のように、じっくり展開を待ってくれない。

昔の大河では平気だった長いシーンも、今の役者でやると芝居の重みや緊張感がやや薄れていて、シーン全体が流れている感は否めない。(少なくとも91年の「太平記」の時と比べると。そもそも大河ドラマ自体ピリッとした緊張感が薄れているのだろうが)

視聴者が離れるとしたらその点ではないか。まあ、お年寄り、年配の人は安心して見られるであろう。

総評として、最新技術や知見をふんだんに取り入れながらも、古き良き大河を彷彿とさせる、硬派な正統派ドラマであるという印象。

とりあえず、この滑り出しならば、歴史好き、オッサン好き、ドラマ好きなら、1年を通して見て損はないであろう。私も1年しっかり見ていく決意が固まった。

池端氏は最新の研究成果などを読み漁っているという。池端氏は人間の弱さや葛藤、ドロドロを書かせてたらピカ一。

どんな新しい信長像、光秀像、本能寺の変を見せてくれるのか、楽しみである。

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テツコハナヤマ
毒親育ちが、ロックマンしか愛せず音信不通に苦しむ日々を卒業し、誠実な癒し系の旦那様と結婚。コロナ禍で出産し、産後クライシスに荒ぶりながらも「毒親育ちが居場所を見つけて、ライフワークと家族と生きる」日々を発信中。根本裕幸氏のお弟子さん1期。 詳しいプロフィールはこちら。