私が婚活を辞めた理由。いくら頑張っても、潜在意識は「結婚したくない」と思っていた。

私は30を過ぎてから、途切れ途切れながらも3年ほど婚活をしていました。

7年付き合った彼氏を別れたことがきっかけでした。

7年付き合ったとは、上手くいっていたのは、最初の2年くらい。
最後の数年は、約束はすっぽかされ、連絡も彼の気が向いた時しか取れず、飲食代も私が支払い、おおよそ付き合っていると言える体ではありませんでした。

ロックマン&野良猫の彼に振り回されて、別れた後はへとへとに疲れ切っていました。

それでも、いい歳をしたら、結婚して、子供を持つものだと当時の私は思い込んでいました。とにかく受験や終活のようにやらなければいけないと思い、自分にムチ打って婚活を始めたのです。

途中、中断しながらもネット婚活を1年、相談所を1年。相談所は相性が合わず、3回変更。

条件、条件、条件……。最初は安定した職業についていればOK、生理的に受け付ける人ならばOK、最後のほうは人柄重視。とにかく条件が合う人に、自分を必死で合わせればいいと思っていました。

だが、ある段階までは上手くいくのだが、その先の関係が破綻してしまう。あるいは、結婚しそうなそぶりを相手が見せると、嫌悪感を抱いて逃げてしまう。

無限ループのような状態で、私はふと気づいたのです。ゾッとしました。泣きたかった。

それは「自分が実は結婚したくない」と心の底で思っているということ。

ある本で「今の現実は潜在意識がすべて」という一文に触れたのが、きっかけでした。
つまり私が結婚していないということは、心の底で「結婚したくない」と思っている願望を、現実でかなえているにすぎないということ。

私が結婚したくない理由も思い当たりました。

私の両親の結婚生活は、決して幸せそうに見えなかったこと。結婚とは忍耐と自分を犠牲にして相手に合わせること。子供が産まれたたら、不幸にさせないためにも、絶対に離婚してはならない。だから、何が何でも相手に合わせないといけない。例え自分がいくら傷つけられたとしても……。

私は婚活を始めてから、あまりにも苦しいことが多くて、心理学を学び始めました。

自分の本音を知って、自分のやりたいことは何だろう、と突き詰めるうちに、婚活がどんどん嫌になっていきました。

結婚相手にふさわしい理想の自分を演じることにも、嫌気がさしていました。いつも笑顔で、物分かりがよくて、家事ができて、子供好きで、男性を程よく頼り決して超えることのない普通の等身大の女性。婚活市場の中で、商品価値をいかに高く見せるか。そればかり神経をすり減らしてきたのでした。

でも、もうそんな無理しなくてもいいんじゃないかな。次第に自分の心の声が聞こえるようになりました。

だって、あなたなら男性に頼るふりしなくたって一人で生きていけるでしょ? そもそも結婚って必要なの? 子供が欲しいなら、いっそシングルマザーになっちゃえば?

婚活相手に対しても、ずっと条件ばかり気にしていました。年収だけでなく、性格は穏やかか、いざという時頼りにできるか、人のせいにしないか、親との関係は?……活動中の私はまるで面接官。あれはいいけど、これはダメ、総合評価67点。うーん、ギリギリOKだから次も会おうかな、という具合。

でも、人を好きになる、愛するって、こんな細かいチェック事項の〇×なんかじゃない。長所も短所も気にならないくらい、その人の存在まるごとに魅かれるということじゃないの? そう思い始めていました。

もう自分を偽らず、好きに生きよう。結婚にとらわれず、自由に楽しく恋愛し、心から好きな人とたくさん付き合おう。ハッピーに楽しく生きていれば、仲間も仕事も集まってくるし、老後だって何とかなる!

ストッパーが外れると、気持ちが一気に楽になりました。

独身上等!婚活やーめたっ!

相談所の担当者に辞めると告げると、「あなたの年齢だと、益々結婚するのが大変になる。今辞めないほうがいい」と説得されました。

「でも私やりきったんです。本当によく頑張ったと思います。もう好きに生きようと思います」。その言葉に担当者はあきれながらも、納得してくれました。

2018年秋、私はすべての婚活戦線から解放されたのでした。

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テツコハナヤマ
毒親育ちが、ロックマンしか愛せず音信不通に苦しむ日々を卒業し、誠実な癒し系の旦那様と結婚。コロナ禍で出産し、産後クライシスに荒ぶりながらも「毒親育ちが居場所を見つけて、ライフワークと家族と生きる」日々を発信中。根本裕幸氏のお弟子さん1期。 詳しいプロフィールはこちら。